屋上につくと、堪えていた涙が溢れ出してきた。

「……っ」

くいっ、と腕を引かれ、気づけば抱き締められて、優雅の胸に顔を押し付けられていた。

「優雅……?」

「こうすれば、私にも、誰にも、見えませんよ」

「あ…りがとう」

優雅の優しさに、おさまりかけていた涙が、また溢れ出す。

「え……、何か気に触りましたか……?すみません…」

いつもヘラッとしていて、憎まれ口ばかり叩いている優雅が、こんなにかっこよく見えるなんて…

「う…んん、そうじゃ…ないわ…。なんか、うれ…しくて」

なにか、安心して、また大泣きしてしまった。