ああ、私の令嬢人生終わったわ。これまでの努力はなんのためだったんだか。

「心愛様。これからどうするんですか?」

車に戻って開口一番そう言ってくる優雅。

「どうしようかしら?」

「考えてないんですか…」

呆れたように手を頭に当てて考え出す優雅。

「何?本気で考えてるの?わたくしがそんなに無鉄砲な人間に見えるかしら?」

「……本当に俺と結婚しちゃいます?」

「はぁ?何言ってるの?そんなこと許されるはずが、っん」

え、何…?わたくしに、優雅がキス…したの?

「俺は、ずっと昔から、心愛のこと、好きだよ」

あまりにも真剣な顔でそう言ってくるから。

「…優雅…?………っ、車停めて!」

いたたまれなくなった私は、止まった車から飛び出してしまった。

「心愛様!どこに!?」

優雅が呼ぶのも聞かずに、夜の街に飛び出してしまった。