「おお、来たな。座れ」

「お待たせして申し訳ありません、お義父さん」

……は?『お義父さん』?

「……どういうこと?」

お父様は、仏頂面のまま、こう告げた。

「今日から、星夜君が、お前の婚約者だ。仲良くするんだぞ」

「なんでっ?なんで星夜なの?」

「仲良しだっただろ?どうせ政略結婚なら、気を許した相手の方がいいんじゃないかと。家柄も、学力も、ルックスも、お前と釣り合うしな」

そんな理由で…?『仲良しだった』のは、ずっと昔の話。お父様が思ってるより、時間は経っている。

「嫌よ!絶対!星夜と結婚するなら、全く知らない人のほうがマシよ!断るわ!」

そう言い残して、レストランを飛び出した。