部屋に戻ると、確かに沢山のドレスやワンピースがポールハンガーにズラリと掛けられていた。

「これ、お父様から……?」

「ええ、そうですね。遅くなったが、誕生日プレゼント、と」

「そ、そうなのね…。こんなに要らないわよ……」

毎回こんな感じだ。誕生日に一緒にいない代わりに、高価で、普通の女子高生には買えないようなものを贈ってくる。顔も合わせないくせに。

「そんな渋い顔をしてたら、キレイな顔が台無しですよ?目一杯キレイにしてもらって、お父様にお礼を言いましょうよ」

優雅が優しく言う。

……そうね!それも良いかもしれない。

「そうね、じゃあ、一時間半で終わらせるわ」

「畏まりました。では」

優雅はスタスタと出ていった。