わたしとあなたは付き合っている。

自他共に認める美貌を持ったわたしと

端正な顔立ちをしたあなた。

一緒に並ぶだけで絵になるようなそんなふたりだけど実は…。




偽装カップル。


そう、なぜこうなってしまったのかというと、彼の一言が原因だった。



『俺たち付き合おう。』



『あ、もちろん本当に付き合う訳じゃあないぞ』


『はい?』


『俺は女たちに告白されたりするのが面倒だ。だからお前と付き合うことで断る手間が省けるだろう。お前も同様だ。』


『俺が偽装とはいえ彼氏になってやるんだ。ありがたく思えよ?』


だまっていればもっと人気はあっただろうに。そんなことを考えながらも

『まぁ、いいですよ。』


なんて返事をした。


もともとわたしも”ニセ彼氏”のことがすきだったのでなんの問題もない。


乙女的にはあまりよろしくないのだが、この際なんでもいい。

これをチャンスに相手を惚れさせればいいだけだから。



でもあなたはどうやったら振り向いてくれる?


どうやったら、”ニセ”ではなく本当の彼女になれる?

そんなことをふらふらと考えていたらもうその日から3ヶ月たっていた。