並んだベンチで、アタシと新海の絵図は、なんだか疲れたサラリーマンみたい!?
無意識にこぼれてしまった溜息に、新海がすかさず突っ込んで訊く。
「何? 何か悩み事でもあんの?」
答えを取り繕う間もなく、そのままを口にした。
「仮面夫婦の両親に、うんざりしてるだけ」
「俺も似たようなもん。仮面親子?」
自嘲気味に笑った新海の横顔は、どこか切なさの影を落としている。
何をどこまで突っ込んで訊いていいのかわからなくて、話題を変える事にした。
「新海って、大阪から転校して来たんだよね? 彼女は大阪の子?」
「そう。15にして、新幹線で二時間半の遠距離恋愛」
そしてまた流れる沈黙。
「じゃあ俺、先戻るわ」
「あ、うん」
歩き出した新海の背中を見送るでもなく見送って、アタシはそのまま数分時間を潰すと、レストランへ戻った。
無意識にこぼれてしまった溜息に、新海がすかさず突っ込んで訊く。
「何? 何か悩み事でもあんの?」
答えを取り繕う間もなく、そのままを口にした。
「仮面夫婦の両親に、うんざりしてるだけ」
「俺も似たようなもん。仮面親子?」
自嘲気味に笑った新海の横顔は、どこか切なさの影を落としている。
何をどこまで突っ込んで訊いていいのかわからなくて、話題を変える事にした。
「新海って、大阪から転校して来たんだよね? 彼女は大阪の子?」
「そう。15にして、新幹線で二時間半の遠距離恋愛」
そしてまた流れる沈黙。
「じゃあ俺、先戻るわ」
「あ、うん」
歩き出した新海の背中を見送るでもなく見送って、アタシはそのまま数分時間を潰すと、レストランへ戻った。


