「えっ、私?」
「うん!ミチルに着て欲しい服とかある!!」

ミチルが困ったような表情を浮かべる。

「私じゃ、オシャレとかしても意味が無いよ……」

また、マイナス思考か。

「ミチルなら色んな服が似合うと思うな!」
「こんな体型じゃ何も似合わない……」
「そんな事ないよ!例えばこんなの着て欲しい!」

選んだのは淡い色のスカートとシャツ。

「え……。こんな色着たら膨張して見えちゃうよ……」

そう言った、ミチルは地味な色の服しか着ていない。

「絶対、似合う!!試着してみない?
試着だけならタダだし!!」
「う……ん……」

ミチルは仕方なしと言った表情で、試着室に向かった。

絶対、可愛さが際立つだろう。

そう考えたらワクワクが止まらない。

数分後、試着室の中から俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。

「着れた?」
「うん……。服は可愛いけど……、こんな服私には無理だよう……」
「カーテン開けて!」

そう言うと、カーテンが少し開き、眉を八の字にしたミチルが顔を覗かせる。

「服見せて……」
「駄目だよう……」

僕のお姫様は大分悩んでいる様子だったから、カーテンを開けた。

そこに居たのは、俺の選んだ服が恐ろしい程に似合っているミチル。