「それってどういう事?」
「俺、今までバイトをちょっとしていたくらいだから、ミチルの欲しいアクセサリーをプレゼントする事が出来ない……。
それどころか、食費を出す事すら無理そうなんだ……」

不思議そうな表情を浮かべるミチル。

「それって、男だからお金を出さないといけないって事?」
「まあ、形だけでもそれが理想」

ミチルがクスリと笑う。

「お互い好き同士なら、どっちがお金出しても良くない?」

今どきこんな考え方をしてくれる女の子が居るのは、嬉しいが俺にもプライドが有る。

「やっぱ好きな子を養いたいのが本音……」
「じゃあ、給料出たら色々買って貰おうかなぁ……」
「うん……」
「最初の1ヶ月は私が出すからね!」

ミチルには感謝してもし切れない。

でも、ミチルの力が無い事には住む場所どころか、食べる事にも困ってしまう。

「1ヶ月!!
1ヶ月だけよろしくお願いします!!」
「大丈夫だよ!その代わり、陸の給料出るまでの期間に付けるお揃いのアクセサリー買いに行くの付き合って!!」

ミチルは頑固な所が有るから、引かないだろう。

なにより、アクセサリーはお互いの異性避けになる。

「いいよ……」
「じゃあ、出掛けよっか!」