僕の彼女はヤンデレです

「代わりに、祖父母が私を育てたんです……」

俺の家より、重いじゃないか。

「あ、ああ。なるほど!
じゃあ、祖父母さんに挨拶しなきゃな!」
「祖父母ももう他界しているので、私1人です……」

そう言うと、涙を流したミチル。

ミチルはひとりぼっちだったのだろう。

いやいやいや。
センチメンタルな気分になってる場合じゃ無い。

よくよく考えたら2人きりだ。

ミチルが玄関の鍵を開けて、部屋の中に入る。

古い家だが綺麗だ。

「古い家ですがどうぞ!」
「あ、ありがとう!」

2階に上がる階段を上がるミチルに着いていくと可愛い部屋が現れた。

1回は和風だったのに、ミチルの部屋は洋風。

「ちょっと待っていて下さいね」
「えっ?」
「唐揚げ揚げてくるだけです!」
「あ、俺も行くよ!」
「恥ずかしい話をしても良いですか?」

恥ずかしい話なんて、気になってしまう。

「なにかな?」
「この家古いので、蜘蛛が住み着いてるんです……」

ゴキブリなら分かるけど。

「蜘蛛?」
「手のひらサイズの蜘蛛です!」

手のひらを見せて笑ったミチルは、話し続ける。

「多分、初めて見るなら発狂物かと……」
「あ、俺。多分大丈夫……」
「そう?」
「うん!だから、ミチルの料理する姿を見たいかな……」