僕の彼女はヤンデレです

そんな事を言われたら気になってしまう。

「なーに?」
「唐揚げ……」
「へっ!?」
「すぐ作るので食べていきませんか?」

あ、俺が唐揚げが好きって事を覚えていてくれたんだ。

「ありがとう!嬉しい……」
「良かった……。いきなり手作りなんて、気持ち悪がられないか心配だったの……」
「そんな事は無い」

しかし、手作りて事はミチルの家に行くって事だろうか。

そうだとしたら、警戒心が無いように思えてしまう。

でも、ミチルの性格を考えたら毎回こんな事をしている訳じゃないだろう。

俺だから。

そう考えたら嬉しくて仕方がない。

「あ、家が家あそこです……。古いから驚かないで下さいね……」

そう言ってミチルが指を刺したのは、古い作りの一軒家。
門構えがしっかりしていて、昔の良い家って感じだ。

いきなり、親に紹介!?

困る。

まじで、困る!!!
俺、人見知りなんだよ!!!

でも、家族に紹介するって事は俺との付き合いを真面目に考えているって事だよな。

てか。

「親御さんに挨拶の手土産買って無いけど、大丈夫?」

そう言うと寂しそうな笑みを浮かべるミチル。

「両親は居ません……」
「へっ?」