「誰かを少しでも信じれるって、凄く楽……」


信じる人が1人も居ないって事は、思った以上にしんどそうだ。


ミチルが楽になって良かった。


ミチルの安息を奪ってしまわないように、俺はしっかりしないといけない。


俺も成長しなくちゃいけない。


「俺。
絶対にミチルの期待を裏切らない!」
「ありがとう。
私も、前みたいにならないように頑張るね!」
「無理して頑張らなくていいよ。
俺、出来るだけフォローするから……」
「そんな風に大切にされると、頑張りたくなっちゃう!!」


ミチルのイメージが変わって、より一層愛おしい。


「俺も一緒!!」


不思議だな。
どんどん、好きな気持ちが増して幸せな気分になって行く。


俺達には、幸せな未来が有る。


今なら本気でそう思える。


ミチルの柔らかな身体を離れないように、抱いて眠りに付いた。


□□□


「陸。おはよう!」


良い匂いと、大好きなミチルの声で目が覚める。


「ミチル。おはよう!!
凄くいい匂い」


炊きたてご飯に、食欲をそそる焼き魚の匂い。


「今日から、陸現場だから栄養付けなきゃね」
「あ、ありがとう」


顔を洗い、髪を整えた後テーブルに向かう。