「疲れたぁ……」


ミチルはそう呟いた。


「大丈夫?」
「もう無理。暑くて身体ベタベタだから、コンビニで涼みたい……」
「じゃあ、頑張って歩こう」
「うん……。あー」
「ん?」
「車で来たら良かったなぁ……」
「歩ける範囲内だから、頑張ろう!!」


そう言って、ミチルの手を引いた。


「うん。確かにね……。
ダイエットの為と思って歩いてるんだけどね……」


ミチルがブツブツ言っている間に、コンビニの見慣れた看板が視界に入る。


「あと、ちょっとで着くよ!」
「う、ん……」
「じゃあ、俺の背中に乗れ!」


もう限界と言い出しそうなミチルをおんぶしてコンビニに向かった。


「陸!!恥ずかしいよ〜!!」


そう言っているが、ミチルの声は凄く楽しそう。
大通りに出る前にミチルを下ろし、コンビニ前の交差点を渡る。
こんな時間だからか、人通りが少ないのが助けだ__


コンビニの中に入ると、ガンガンに効いた冷房に安堵のため息が洩れた。


「陸!涼しいね!!」
「うん。なんだか、ホッとする!」


コンビニに入った瞬間、元気になったミチルに手を引かれてカップラーメンコーナーに向かった。