…家から出てきたはいいけど、日差しが強いな…どうしよう…。帽子とか、持ってくるべきだったな…

強い日射しに煽られてアスファルトまで暑くなっていて、上も下も逃げ場はない。

もっと考えて行動すべきだったな…。後悔があとをたたずに、一人目的もなく歩いていると…

「あ、紅愛ちゃんやん!おーい!!」

大きく手を振る影に連想させられたのは…

「えっと…、御嵩さん?」

うる覚えの名前を呼べば、彼女はニカッとはにかんだ。

「あったり~!記憶力いいんだね、紅愛ちゃんは!!」

「そんなことないよ。記憶力がいい人は私よりももっといるよ」