✞雷斗side✞

目の前の月姫は、吸血鬼の顔をした月姫だ。

俺の手のひらから出てる血をペロッと舐め、牙を入れた。

呼んでも返事がないってことは……。

今の月姫は、吸血鬼の本能で動いてるってことだよね。

これで俺が月姫の血を吸ったら……。

月姫の呪いは解ける。

ホントはやりたくないけど……。

「月姫、ちょっとごめんね」

「っ!?いっ……」

月姫の唇を噛んで、切れた唇から出た血を舐めて飲んだ。

その瞬間。

──パァァァァっ!