光を掴んだその先に。─After story─





「かんせーいっ!」



鍋には4人分はありそうなカレーがどどーんと作られていた。

ご飯もしっかりセットオッケー。

そして甘めの卵焼き、飲み物は一見ワインにも見えるブドウジュース。


このマンションと合わせると、お高いイタリアンのお店に見えなくもない。


いや、カレーってイタリアンじゃなくない…?それに卵焼きは和食だし…。



「まぁいっか!気持ちはこもってる…!」



本当はピザとか、カルパッチョとか、そういうお洒落な料理を作って待っていたかったけど…。

いまの私に作れるわけもなく。


そんな手作り感満載の料理が恥ずかしかったり申し訳なかったり、ドキドキしたり。


とりあえずサプライズで驚かせるために冷蔵庫に入れておこうっと。



「シャワー浴びなきゃっ」



そして雅美さんからプレゼントされたお気に入りのワンピース。

確か初めて彼に気持ちを伝えたときも、それを着てたっけ。

初心忘れずってやつだ。


シャワーを浴びて着替えて、髪を綺麗に結び直して、そして残るは。



「わかんない……全っ然わかんないっっ」



下地クリーム、ファンデーション、アイシャドウ、マスカラ、チークにリップ。

そんな一式を前に悪戦苦闘。


今まで雑誌や動画でメイクの基礎から勉強してきたけれど…こうして実践するのは初めてだった。



「わ、キラキラしてる…」



あまり濃すぎずナチュラルに。

アイシャドウを這わせただけで違う人に見える…。

リップもチークも、自然に色づける程度にした。



「わぁ…!……やっぱり…普通…、」



周りが美人すぎるのだ。

雅美さんだって桜子ちゃんだって、…千春さんだって。