「ありがとう親友。俺、勇気でた」
私を捉え、ニッと笑った陽太。
そして再び柔らかい眼差しに変えて桜子ちゃんへと。
まっすぐに見つめるその顔は、いつものにこやかなものとはまた違っていた。
「桜子、俺はね、」
「は、はい…」
初めて見る……陽太が真剣だ。
がんばれ…がんばれ陽太…。
───そして。
「……あ、ごめん。やっぱ無理」
「んっ…!!!」
・・・・・え。
え、えっ、は!?!?
「ちょっ、えぇぇぇっ!?!?」
なにしてんのこいつ…!!!
なんでキスしてんの!?
やっぱ無理って……はあっ!?
「んっ…!てんど…っ、んん…っ!!」
周りから黄色い声が上がって、誰もが注目していた。
陽太!?バカなの!?!?
普通そこって告白する場面じゃないの…!?
なにを普通に唇奪ってんの……!!
「やっば、…お嬢様の唇奪っちゃったよ俺」
そしてたっぷり堪能した男は、放心状態の女の子の髪をゆっくりと撫でた。
「好きだよ桜子。俺と、付き合おうよ。絃織さんよりずっとずっと優しいよ俺。───…ぜったい大切にする」
きゃぁぁぁぁ~~~~!!!と、周りの若い女の子たちの悲鳴のような歓声。
思わず私ですら状況が把握できていなかった。
だけど真っ赤な顔をした桜子ちゃんは、小さくコクンとうなずいて。
「ふ、ふつつかものですが…っ、よ、よろしく、お願い…します…!」
なんて、可愛らしい言葉を返した。
いやいやいやいや、もう拍手喝采だけどさ。
涙浮かべてる人いるし、女の子は鼻血出してる子もいるし…。
子供はお母さんに目を塞がれたりもしてて…。



