ーキーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴った。

今日は高校二年生になってから1週間ほどして、みんながだんだん馴染んできたころ。


「今日は、学級委員を決めたいと思います。」
朝のHRの時間に先生がそう言った。新年度が始まったから、新しい学級委員を決めなくちゃいけない。

うちの学校の学級委員の決め方は、いたって普通で、立候補か推薦で決まる。

私は、去年は自分のことだけで精一杯になると思って立候補しなかったから、今年は立候補してみようと思っている。ちょっと緊張するなぁ。

コホンと、一つ、先生が咳ばらいをしてから言い始めた。


「えー、それではまず初めに男子。やりたい人は?」


シーン、、、。しばらく沈黙が続く。

まさかの誰も挙げない!?こんなこと、中学でもなかった。絶対誰かしらあげてたのに。拍子抜け、、、。


「本当にやりたい人は、いないんですか?」


それでも誰も手を挙げない。

挙げてないのは自分たちだけど、誰も立候補しないことに男子たち自身も驚いているようだった。


「えー、じゃあいないみたいなので先に女子を決めます。」


ちょっと動揺気味の声で先生が言った。


「はいっ!」


すかさず手を挙げる。

さっ、と周りを見わたすと、だれも手を挙げていなかった。よしっ!
でも、このクラス積極性が無さすぎじゃない!?

そんなことを思っていた時、みんながさっき何か話していたのを思い出した。一年生の時学級委員をやった子から話を聞いていたみたいけど、学級委員、相当大変だったみたい。確かに本人からそんなことを言われた後で、やる気にはならないかも。


「桐生さんしかいないみたいなので、きまりでいいですね?」

「はーい。」


やった!みんなも同意してくれたし、嬉しい!!


「じゃあ、決まりですね。次、男子。いないみたいなので推薦してくれる人、いませんか?」


すかさず誰かが手を挙げた。あれは、、、一ノ瀬くん!?こういうのやるタイプじゃなかったような、、、。


「推薦なんですけど、柊樹とかどうですか?明るいからクラスも楽しくなりそうだし。」


あー、なるほど推薦ね。

って、もし如月くんになったら私が一緒にやるってことだよね!?そしたら、女子からのプレッシャー的なの多そう、、、。みんなできるだけ如月くんとかといっしょにいたいんだから。だいじょうぶかなぁ。