「ん、僕はいないです。」


いつもより声ちっちゃい!照れてんじゃん。


「彼女できたら教えてね!気になるから。」


私は笑いながら、言っておく。


「あ、そうだ!涼風くんって、そろそろ誕生日だよね?」


「そうです。11月3日なので、毎回祝日なんですよ。」


なんか、涼風くんの声いつもと違う気がする。なんていうんだろう、、、元気なようにも聞こえるし、悲しそうにも聞こえる。不思議に思ったけど、本人からそんな様子は、感じられないのでそのことに関しては何も言わなかった。

そのまま、私が言おうとしていたことを言う。


「じゃあさ、今度デパート行こう!そこで何かプレゼントするから、欲しいの選んでよ!こないだ、ちょっと考えたんだけど、涼風くんの好み分かんなくって。」


色んな人と仲がいい私だけど、ここまで話した男子は、少ない。私の中で、涼風くんは、友達以上恋人未満くらいのところにいる人だ。、、、親友かな?だから、誕生日プレゼントを渡したいと思ったんだ!
(ちなみに、しゅうくんの誕生日は、8月30日みたいで、恥ずかしながらその時は誕生日だと知らなかったので、私は何もあげられませんでした。当日は、夏休み中なのにたくさんの女子が来て、大変だったみたいです。)


「でも申し訳ないし、いいよ。気持ちだけで、嬉しい。」

「私が、渡したいの。ダメ?」


ちょっと考えてから、涼風くんが言った。


「じゃ、お言葉に甘えて。」

「よし決定!あ、日にちいつなら空いてる?やっぱ当日は友だちとかと遊んだりするかなって思って、いつがいい?」

「当日でいいですよ。特に予定もなかったので。」


そっか、じゃあ、11月3日と。私はしっかりと頭の中に記憶する。


「おけ、次は時間、、、あ、もうバイバイだ。」


いつの間にか、分岐点に着いていた。


「次の帰り、決めよう。」

「分かった。楽しみにしておくね、陽ちゃん。」


ん?なんかいつもと違うような、、、って、いつの間にか、名前呼びになってない!?さらっと言っちゃってるから、すぐ気づけなかった。


「じゃ、またね。」


手を振りながら、私は言った。ちょっと恥ずかしくって、名前は呼べなかったけど、、、。
涼風くんも、手を振りかえしてくれた。
そこで私たちは別れた。