「桐生さん、僕のことどう思ってる?」

「、、、?友だちになりたいな、って思ってるだけだけど、、、。あ、ごめん。こういうのうっとうしかった?涼風くんが嫌なら諦めるよ。」


私は涼風くんと仲良くなりたいって思ってるけど、相手が嫌なら無理になろうなんて考えてない。


「そこだ。他の女子違うとこ。」

「?」

「僕も、友だちになりたいです。」


涼風くんは、さわやかスマイル全開だ。


「ホント、嬉しい!!」


私も全力の笑顔で、返した。


「あ、そうだ。もしよかったらこれから一緒に帰らない?」

「もちろん!」


そこから私たちは、一緒に帰ることになった。

涼風くんは、本当に紳士的な人だった。どんな時でも、穏やかだったし、いつも笑っていた。


「今日の社会、覚えるところ多かったよね。」

「そうだね。」


こんな感じで、いつも、涼風くんとするのは他愛もない会話だった。
だからあるとき、


「彼氏とかいるの?」


って、いきなり聞いてきたときは、なんでだろうと思いつつも、驚いた。でも、とりあえず、


「いないよ。」


って答えたんだ。その時は、まだ私の片思いだと思っていたころだったし、しゅうくんと付き合えるなんて夢にも思っていなかったから。


「じゃあ、好きな人は?」


ちょっと考えて私は、


「内緒。」


といった。だって恥ずかしいじゃん。本当に、あの時はしゅうくんに告っても絶対振られるって思っていたから、そのことバレたくないなって。

それからは、ごく普通の会話だった。そんなことも、聞かれることはなかった。



でも、それから1ヶ月半くらいたって、しゅうくんと私が付き合い始めたころのこと。つまり、たった今。

涼風くんとは変わらず、毎回一緒に帰っていた。


「ねぇ、僕今日は話したいことがあるんだけど。」

「なぁに?」


今日の涼風くんは、いつもと違う気がする。


「前に言ってたけどさ、そのー、彼氏って今はいる?」


なんだ、恋バナかぁ。そりゃ、男子の方からはきりだしずらいよね。


「涼風くんも恋バナするんだ。」


知らなかった、というように私が言った。


「いや、そういうわけでは、、、。」

「あ、その彼氏のことだけど、私ね、こないだできたばっかなんだ!ちなみに、涼風くんは?」


気になったので、私も涼風くんに聞き返した。初めの方に何か言ってた気がするけど、気のせいかな。