先生から、借り物&借り人競争自体は面白い案だが、○○を身に着けている人のようなものならいいけど、「明るい人」とか決まった定義が無いのはやめてねと言われてしまったのらしい。これじゃ、お題に「好きな人」を紛れ込ませられないじゃん!

で、結果また作戦会議が始まった。
どんなお題だとしても、もし如月が陽を選んだ場合、どうしたら二人をくっつけられるか。

えーと、恋人と言えば、、、始めは手をつなぐところから。ん?これ、使えそうじゃない!?
そう思った私は、早速メールに打っていく。
画面には、30分も会議したのに何も案が出てこなくて、

【どうする?なんかいい方法ない?】

【ない。】

みたいなのが10分おきくらいに出てきている。

でも、これなら絶対いける。そのまま私は、えいっ、と送信ボタンを押した。

【ルール追加 お題に書いてあるものを貸してもらった人、もしくは借りる人自身と手をつないで、ゴールに行く。】

これ、めっちゃよくない!陽しか持ってなさそうなのをお題にするか、陽の特徴、、、例えば身長160cm以下とか。そういうのに設定して、陽を選べば二人に手をつながせて、ゴールまで行ける。

もともと立てていた作戦ほど、いいとは思えないけど、このままここで終わりにしちゃうよりはずっといい。
あっ、これ、考えしか送ってないじゃん!!慌てて私は

【こんな感じでどうかな?】

と、入力して送った。

【いいいいいいいいいいい!!!!!!】

一ノ瀬から速攻で送られてきた。えっと、、コレは、とってもいいってことかな。ちょっと”い”が多すぎだけど、、、。

【ごめん、興奮しすぎた。】

へぇ~、一ノ瀬もこんな風に(頭がおかしく)なることあるんだ。意外。

【アレンジルールで、これも追加しておいて。】

そう送って、とりあえず今回の作戦会議は終わった。



次の日。

私が勉強をしていると、一ノ瀬から連絡が来た。

【かんっぺき。ちゃんと、OK出た。
で、お題なんだけど、桐生のことはお前のが知ってると思って、相談に来た。なんか、桐生といえばこれでしょ、みたいのある?】

何がいいかな。性格はお題にしちゃいけないから、見た目関連だよね、やっぱり。髪型とか。いつも陽は、、、高めのポニーテールだ。

うちの学校はそういうところの校則は緩くて、おさげにしようが、ポニーテールにしようが、なんだって自由だ(なのに、なんでシュシュは付けちゃいけないんだよ!!)。