それから数週間後。無事に一学期も終わって夏休みに入り、今日から8月。ついに、勉強会の時がやってきました!

個人的に勉強はそこまで好きじゃないし、成績も平均並みなので、私も、ちゃんと教えてもらうつもり。あの三人はいつも、テストは上位に必ず入っている。

いや~、それにしても勉強する日を楽しみにすることなんて、今までもこれからも絶対にないだろうな。なんか不思議な気分。

時間よりちょっと早めに朱里の家に行く。着いたらすでに、華がいた。男子三人はまだみたい。


「やっほ~、来たよ」

「おはよう、陽」

「おはよう、陽ちゃん」


と3人であいさつする。

そのあと、のこりの三人は一緒に来た。
みんなで、おはよう、とあいさつする。


「早速やる?」


佐伯くんが聞いた。


「そうだね。よし、がんばるぞっ!」


朱里が気合を入れる。私も頑張らなきゃ。


「あ、私も教えてください!」

「私も!応用問題よくわからなくって。」


私と華も言う。


「じゃあさ、三対三だから、ペアになってやろうよ。俺は南見、優斗は小川ね。で、柊樹が桐生。それでいい?」


一ノ瀬くんがてきぱきと指示をした。
ふぁっ!?目の前で、如月くんに教えてもらうんですか!?勉強に集中できないよ~。
 
如月くんと会えるのは嬉しいけれども、まさかここまでなるとは思っても見なかった。でも、そんなこと言えない、、、。


「OK!」


いつの間にか、佐伯くん、華、朱里の三人がそう言っていた。
朱里の家のダイニングテーブルをみんなで囲んで、勉強をする。みんな、持ってきたのは夏休みの課題だ。私たち三人は、分からないところがあったら聞いていって、その間男子三人は自分たちのをどんどん進めていく。

分からなかったらどしどし聞いていいよ、とは言われているものの集中を切らせてしまうから、ちょっと申し訳なくなる。


「えーっと、ここって、、、。」


苦手な数学の問題を遠慮がちに聞いてみた。何とか自分で解こうとしたんだけど、途中から頭がこんがらがって、振出しに戻ってしまったのだ。
すると如月くんは、すぐに頭を上げて、優しく、分かりやすく、丁寧に説明してくれた。


「おー!すごい、ありがとう!」


いつか私もこんな風に頭良くなりたいなぁ、、、。そんな尊敬のまなざしで見つめていると、視線に気づいた如月くんに


「どうかした?」


と聞かれた。なんでもないよ、と私もまた取り組む。ここは、さっき教えてもらったのの、違うパターンだ。おぉー、スイスイ解ける。なんか、意外と面白いかも。