そう返ってきた。意外とこいつ、友だち思いなのかもしれない。(ていうか、如月一年のころから陽のこと好きだったんだ。あいつも、一途だね~。)


「へぇー、いいやつじゃん。」


というと


「君もでしょ。」


と言われた。ま、確かにそうかもね。発案したの、私だし。

そんなことを言いながら、二人で連絡先を交換した。


「じゃ、またメールでね。」

「おう、じゃあな。」


そう言って私たちはそこで別れた。
 
家に帰ってきて、やることを終わらせてスマホを見る。早速、作戦会議をしようと思ったのだ。
一ノ瀬には、はっきり言って、もっと疑われるかと思ってた。本当は一ノ瀬と連絡先交換したいだけなんじゃないの?とか、それ嘘じゃないの?とか。

自分で言うのもなんだけど、初対面のやつにあんなこと言われて、OK出すってほんと凄いな。結構大きな賭けなのに。そこまでしてやるくらい、如月のこと大事に思ってるんだろうな。
意外と優しいんだな、と思いながらメールを打っていく。

私が考えた作戦はこうだ。

1.私は勉強が得意じゃないから頭のいい如月たちと勉強会したい、と陽に言う。
2.陽は如月と一緒に学級委員をやっているんだから、私より話しかけやすいでしょ、と陽に言って勉強会の約束をしてもらう。
3.夏休み中、実際に勉強会をする。この時私と一ノ瀬、華と佐伯、そして陽と如月のペアで、勉強をする。

こんな感じで、二人の仲をぐっと、近づけようという作戦である。

そう送ったら、少しして一ノ瀬から連絡が来た。まず一発目に来たのは、

【君の家で、勉強会やりたい。あと、お菓子全部からにしといて。】

だった。ん?これじゃ意味わかんないんですけど。別に私の家で勉強会するのは全然かまわないんだけど、、、なんでお菓子空っぽにしなきゃいけないんだろう。

困惑していると、続きのメールが来た。それを見た私は納得して、いいね!のスタンプをすぐに送った。すると、一ノ瀬からも、グっ!というスタンプが来た。

よし、これで作戦は決まり!あとは実行するのみ。


早速明日、陽に勉強会したいって言ってみよう。ワクワクしながら、私は眠りについた。