極上男子は、地味子を奪いたい。①〜トップアイドル(♀)正体を隠して編入する〜

「おい、陸」



正道くんが、陸くんを呼ぶ。



「はい、なんでしょうか」



まるで家来のように返事をした陸くんに、違和感を覚えずにはいられない。

正道くんは私を見たまま……薄い唇を開いた。



「お前の隣にいる……その薄汚れた捨て犬のような女はなんだ?」

「……え?」



正道、くん……?

今、なんて……。

衝撃的な彼の発言に、私は言葉を失った。

私を見る目は……ゾッとするほど、冷たかった。



「……彼女は、新しく生徒会に入った生徒です。今日1年A組に編入してきたばかりで」

「正道様、今朝理事長から通達を受けましたよね? 石田さんが降格して、代わりに編入生が入ると。彼女がその生徒です」



陸くんに続き、伊波さんが説明してくれる。



「花恋さん、こちらに」



呼ばれるがまま、伊波さんのほうに駆け寄った。



「かれん……?」