伊波さんが、「どうぞ入ってください」と今朝と同じ優しい声色で言ってくれる。

相変わらず、紳士的で爽やかだ。



「え? ふたり、知り合いなんですか?」



陸くんが、伊波さんと私を見て驚いている。



「今朝、偶然お会いしたんです。編入生が生徒会に入るという話は聞いていたので、挨拶をしました」



あ……。これから関わることになるだろうからって、そういう意味だったんだ……。

伊波さんは私が生徒会に入ること、知っていたんだなぁ。



「ようこそ生徒会へ。改めてこれから、よろしくお願いします」



ぺこりと、頭を下げた伊波さん。



「こちらこそ……!」



私も、同じように頭を下げた。

顔を上げて、キョロキョロと室内を見渡す。

正道くんは……まだいないのかな?

生徒会室の中には、10人くらい人が集まっていた。

椅子に座って、テーブルで談笑している。