そっと、陸くんから距離を取った。
「ごめん、近すぎたね」
「ううん……!」
私の肩から、手を離した陸くん。
まるで私の反応が思っていたものと違ったかのように、陸くんは不思議そうな顔をしていた。
な、なんだったんだろう、今の……。
陸くんって、誰にでもこういうことするのかな……?
私じゃなかったら、勘違いされてると思う……き、気をつけないとダメだよ……。
心の中で、忠告しておいた。
陸くんと私は何事もなかったように、そのまま歩き続けること数分。
「ここが生徒会室だよ」
無事、生徒会室に着いた。そして、思わず息を飲んだ。
「こ、ここ……?」
私の前には、ゴールドに縁取られた白い扉が立ちはだかっていた。
もう、驚き疲れた……。何このお城の入り口みたいなドア……。
「豪華な扉だね……」
あははと、苦笑いが溢れる。