でも、握手会の時はいつだって元気いっぱいで、明るい人だったなぁ。

ふふっ、正道くんと同じ学校なんて……運がついてるのかもしれない。



「……静かに」



女の子たちに忠告する、正道くんの低い声が体育館に響いた。

あれ……?

正道くん……こんな低い声だったっけ……?



「騒ぐなら出ていけ。秩序を守れないものは必要ない」



冷めた目で、生徒たちを見下すような言葉を吐いた正道くん。

その姿が……私の知っている正道くんとかけはなれすぎていて、困惑した。


正道くんは、いつも笑顔で、優しくて、温かくて……。

それなのに、今、ステージに立って話している正道くんは――とても、冷たい人に見えた。

シーン……と、一瞬にして静まった体育館内。

正道くんは、再びスピーチを再開した。

どうしたんだろう……?



「校則を守り、節度を守って学生生活を楽しむように」