さっきまで不安も多かったけど、暗い気持ちは全部吹き飛んだ。

正道くんは、本当に本当に……優しい人だから……。



『キミの存在が、俺の生きる希望なんだ』



いつもまっすぐ応援してくれていた正道くんに、どれだけ救われていたか……。

きっと正道くんなら、私の正体を知っても隠してくれると思う。

すぐに正体を話すようなことはできないけど……社長にも確認して、正道くんには話したいな。

彼には本当に、いつだって元気をもらっていたから。

きちんとお別れは、できなかったけど……。

最後の握手会に来てくれなかったってことは、もう私に飽きちゃった可能性もあるし、最悪、引退を決めた私を嫌いになった可能性だって……。

でも、正道くんが優しいことは知っているし、同じ学校の生徒になったとわかったら、きっと歓迎してくれるはず。

……あっ。

あることを思い出して、私は伊波さんに視線を移した。