蛍くんは私だけに聞こえるようにそう言って、響くんのあとを追っていった。


陸くんに、気をつけたほうがいい……?

それは……どういう意味……?



「花恋、早く行こう」

「あっ……う、うん!」



立ち止まってほかの人の邪魔になっていた私を、陸くんが引っ張ってくれた。

陸くんはちらっと私の顔を見て……前を向いたまま、口を開いた。



「あいつらとは仲良くしないほうがいいよ。ただの不良だから」



これは……想像以上に、仲が悪い……?



「それと、さっきあいつが言ってた説明、語弊がある」

「響くんの説明?」 

「うん。FSは一等星、NSはただの星、LSは……黒星じゃなくて、言葉通り星無しだよ」



陸くんははっと、鼻で笑った。



「輝きを失った、落ちこぼれのただの石ころって意味だからね」

そう話す陸くんの表情は、笑顔なのに――ひどく冷たく感じた。