驚いて振り向くと、右隣の席にはアッシュレッドの髪色をした、少し強面の男の人がいた。
ひと言で説明するなら、「不良」と呼ばれるタイプの人。
彼もさっきの陸くんと同じように、じーっと私を凝視してくる。
紳士的な雰囲気の陸くんと違って、いかつい彼に見つめられ少し怖気づいてしまった。
こ、怖いっ……。
「あ、あのっ……」
「お前、ほんま地味やな~。その前髪、どうにかしたほうがいいで」
あまりにもはっきりと言われ、いっそ清々しい。
「ま、ガリ勉には生徒会がお似合いなんちゃう」
嘘がつけない、裏表のない人なのかな……?と直感的に思った。
怖いけど……どうしてだろう、悪い人には思えない。
「なんや俺のことじっと見て。惚れたか?」
「ち、違います……」
「失礼やなぁお前。そこは冗談でもうんって言いや」
ええっ……!

