「名前が可愛いっていうのも、大変そうだな」



あ、あれ……もしかして、すごく貶されてる……?




「あはは、はは……」



確かに、私の格好が地味だっていう自覚はあるけど……この先生、ちょっと苦手かもしれないっ……。



「ここが1ーA組の教室だ」



そう言って、教室の戸の前で立ち止まった先生。

中からは、ざわざわと生徒たちの話し声が聞こえてきた。

ここが今日から、私の通う教室っ……。



「それじゃあ、少しここで待ってろ」



先生が先に教室に入っていって、私は呼ばれるのを待つ。




「一ノ瀬、入ってこい」



聞こえた先生の声に、肩がびくっと跳ねあがった。

よし……い、行こうっ……!

友達、たくさんできますように……!!︎