「そうだ。よかったら名前を聞いてもいいですか? これから関わることになるでしょうから」

「え……?」



関わることになる……?

あ、同じ学校に通うって意味かな……?



「えっと、一ノ瀬花恋です」

「かれん……」



彼は私の名前を呟くように、復唱した。



「……いや、そんなはずはないか」

「あの……?」

「いえ、なんでもありません。素敵なお名前ですね」



名前をほめられて嫌な気分になるわけもなく、彼への評価は右肩上がり。

こんなにいい人がいるなんて、星ノ望学園はきっと素敵な学校に違いない……!



「私の名前は、水瀬伊波です。気軽に呼んでください」

「はいっ……!」



名前まで綺麗だと思いながら、どこか引っかかる部分があった。

伊波……。やっぱり、どこかで聞いたことがある気が……。

もしかして……彼と、会ったことがある……?



「ここです」