困ったことになってしまった……。
職員室に向かいながら、無意識のうちにため息をこぼしていた。
まさか編入初日に、カレンだとばれてしまうなんてっ……。
で、でも、同じ高校の人じゃなかったことが、不幸中の幸いかもしれない……。というか、彼はどうして私がカレンだってわかったんだろうっ……。
理由がまったくわからない……。
ガラスに反射している自分の姿を、じっと見る。
どこからどう見ても……カレンの要素は隠せているはず……。
私は髪が紫に近い薄桃色で、生まれつきの癖っ毛でパーマのようになっている。
顔もメガネで隠しているし、気づく要素があるとしたら体型くらいだ。
でも、152センチなんて珍しくないだろうし、似たような体型の人なんていくらでもいるだろうから……うう、まったくわからない……。
とにかく、彼にはもう会わないようにしなきゃ……。