私、本当に反対方向に進んでいたんだな……あはは……。

正門のあたりには誰も人はいなくて、ほとんどの人が寮生活なのだと改めて理解する。

バイクを止めた彼が、また私を抱えておろしてくれる。

ちょっと恥ずかしいっ……。



「ありがとうございました……!」



彼のおかげで……無事に間に合った……。恩人だっ……。

感謝の気持ちを伝え、深々と頭を下げた。



「あの、何かお礼を……」

「いらない」



そ、そんな……私の気がすまない……。



「それよりお前……どうしてこの学園にいる?」

「え?」



じっと、私を見つめる彼。



「どうしてっていうのは……?」



見つめてくる瞳の真意がわからず、首をかしげる。

彼は……ゆっくりと、薄い唇を開いた。



「なんで“カレン”が、この学園にいるんだって聞いてる」

「……っ」