綺麗な顔に凝視され、気まずくなった。

彼は少しして、ハッと我に返ったように無表情になった。



「……乗れ」



え……?

後ろの席から取り出したヘルメットを渡され、首をかしげる。



「歩いてたら間に合わない」



えっ……もしかして、私、学校の反対方向に向かってたのかなっ……。

というか……このヘルメット。もしかして、バイクで送ってくれるってこと……?

い、いい人っ……。



「バイク、怖いか?」



感動して固まっていると、彼がそう聞いてきた。

ぶんぶんと、首を横に振る。



「い、いえ……! ありがとうございます!」



迷子になったのは災難だけど、イケメンさんがいてくれて助かったっ……。

ありがたくヘルメットを受け取り、かぶる。



「え、えっと……」



ど、どうやってつけるんだろうっ……。

困っていると、彼が無言のまま手を伸ばしてきた。