そういえば、ほとんどの生徒が寮生活だって言っていたもんね……ぜ、絶体絶命かもしれないっ……。

途方に暮れて、ひとまず角を曲がった時だった。

あっ……。

あの制服はっ……。

私の記憶が正しければ、星ノ望学園のデザインの制服を着ている男の人がいた。背を向けていたから、その人の顔は見えない。

あれ、でも……色が、違うような……?

制服は、黒を基調に作られている。

でも、彼が着ているのは白いジャケット。

やっぱり、星ノ望学園の生徒ではないのかな……で、でも、近くの高校生かもしれないし、知っているかもしれないっ……。

とにかく、今は彼に聞くしか道はない……!



「あの……!」



私は思わず、その彼のもとに駆け寄った。

バイクにまたがって、ヘルメットを手にぼうっとしていた彼が、ゆっくりと振り返る。



「……」



――う、わっ……!


綺麗な、人……。