極上男子は、地味子を奪いたい。①〜トップアイドル(♀)正体を隠して編入する〜

心配をかけないように、笑顔でふたりを見送る。

ふたりが帰ったあと、寂しさと心細さでまた涙がこぼれたけど、泣いちゃダメだと言い聞かせる。

泣いたら、目が腫れちゃうっ……。明日は始業式なんだから。

って、メガネとウイッグがあるから、顔なんて見えないかな……あはは。

今日はもう、早くお風呂に入って寝よう。

そう思った時、買っておいた菓子折りが視界に入った。

あ、そうだ、隣の家に挨拶に行かなきゃっ……!

でも、夜の8時だし、こんな時間に行ったら迷惑だよね……。

うん、明日にしよう。

眠る支度を済ませて、ふかふかのベッドに沈む。

アイドルを引退してから、今日まで……長かった……。

白い天井を見ながら、アイドル時代のことを思い出す。

アイドルを精一杯やりきったけど、ひとつだけ心残りがあった。