極上男子は、地味子を奪いたい。①〜トップアイドル(♀)正体を隠して編入する〜

まさか、優しい正道くんが……こんなことを言う人だったなんて。

私の中の大好きな正道くんの姿が、くずれていく。

どっちが本当の、正道くんなの……?

信じたく、ないよっ……。



「おい、早く出ていけ」



正道くんの言葉に、耳をふさぎたくなった。

嫌だ……正道くんは、そんなことを言う人じゃないっ……。



『カレン、昨日のライブも最高だったよ!』

『カレンを見ていると、僕も頑張ろうって思えるんだ』

『カレンと出会えて、本当に良かった』




正道くんは……優しい人じゃ、なかったの……?



「陸、つまみ出せ」




陸くんが近づいてきて、私の腕をつかんだ。

そのまま、生徒会室の扉のほうに連れていかれる。



「惚れさせて雑用でも押しつけようと思ってたのに……」

「え?」



今、なんて言った……?

扉を開けた陸くんが、私を見てにっこりと微笑む。