極上男子は、地味子を奪いたい。①〜トップアイドル(♀)正体を隠して編入する〜

そう言って、鼻で笑った正道くん。

私はショックのあまり、何も言えず立ちつくすことしかできなかった。



「それに……その声も……」

「声……?」

「喋るなと言っているのがわからないのか?」



大きな声で制止され、びくりと肩が震えた。

どうして……。

私がカレンだと気づいていないことは、もうどうだっていい。

ただ……いつも優しい正道くんの別の顔に、ショックを隠せなかった。



「とにかく、お前は不要だ」



私から目を背け、奥の席へ歩いていった正道くん。

くすくすと、役員さんたちの笑い声が後ろから聞こえた。



「ふふっ、当たり前よね」

「会長の言う通りだ。あんなブスがいたら、生徒会の評判が下がる」

「ていうか、あいつのせいで石田さんがNSに降格したらしいぞ」

「石田さん可愛いから、生徒会の癒しだったのに……」