極上男子は、地味子を奪いたい。①〜トップアイドル(♀)正体を隠して編入する〜

ぼそりと、正道くんが何か呟いた気がしたけど、とりあえず挨拶をする。




「は、初め、まして……一ノ瀬花恋です……」



ぺこりと、頭を下げた。

さっきのは……聞き間違いか、何かだよね……?

正道くんが、あんなひどいこと、言うはずがない……。



「あの、今日から生徒会に……」



「黙れ。喋るな」



低い声でそう言われ、息を飲む。

正道くんは見たこともないような冷めた目で、私を睨みつけた。




「出ていけ。生徒会に、お前のような地味な女は必要ない」




……っ。



私の目の前にいるのは……本当に、正道くんなの……?


私の知っている人とはあまりに違いすぎて、現実を受け入れられない。

だって、正道くんは本当に優しくて、いつだって私を励ましてくれて……。



「一ノ瀬花恋だって? なんて分不相応な名前をしているんだ、お前」