「でも、変装していくから大丈夫だよ」



私は「カレン」ではなく、一ノ瀬花恋として平穏な高校生活を送るんだ。

素顔で登校したらさすがにバレるかもしれないから。



「いいか? バレたら、一巻の終わりだからな?」



怖い顔で、脅すように言ってくる高御堂に、ピンッと背筋が伸びる。



「は、はい!」

「何があっても、変装は解くなよ?」



も、もちろん、バレないように細心の注意を払うつもりだっ……。

こくこくと頷くと、高御堂はそんな私を見てまたため息をついた。



「本当に大丈夫なのか……」



そ、そんなに信用ないのかな、私……。

少しショックを受けながら、社長が運転する車で新居へと向かった。





「ここよ」



車が停まったのは、綺麗な高層マンションの前だった。