これ以上なく幸せだった。
こんなことでよかったのか。
こんなことで彼女は笑顔になるのか。
僕はようやく気づいた。
「――ごめん。僕は今まで自分を押付けていたんだな」
「え⋯⋯?」
これまで押し付けがましい行動を反省する。
「君に振り向いてほしいあまり、自分の気持ちをばかりを押付け、君を知ろうとしなかった」
プレゼントは“女性”が好きなもの。食事は高級料理店。金額は高ければいい。
確かにそれで喜ぶ女性も多いのだろうが、彼女はそういう人間ではないようだ。
反省する僕を見て、垂れ目がちの瞳がうるうると輝く。
「一郎さん⋯⋯」
「約束する。君と――結と寄り添い、共に歩いていきたい。だから、どうか僕とお付き合いをしてもらえないだろうか?」



