24時の鐘と俺様オオカミ

(お隣のよしみです)


 そう。隣の席だから、ただそれだけ。
 深い意味はありません。


「大路君、起きてください」


 他のクラスメートは全員すでに移動していて、教室には、二人きり。

 彼の大きな体を揺さぶってみるものの、なかなか起きやがりません。


「大路君」
「……ん……」


 やっと重そうにまぶたが持ち上がり、まだ半分夢の中にいるのか、まどろみを残した瞳は宙を見つめる。