「おはようございます、大路君」


 そんな考えを悟られないように、ツンと刺をつけて言葉を返す。

 大路君は先日の告白などまるでなかったかのように、全く態度が変わらない。

 きっと、だからなのだと思います。


(……大路君は、)


 彼は強引なところがあるけれど、嘘をついたり、人を選んで態度を変えたりはしない。

 だから多分、私は、


(どきどき……)


 不本意ながら、どきどきしてしまうのでしょう。

(悔しいです)