私の顔を覗き込むのは、意地の悪そうな笑みを浮かべる大路君。


(た、食べ……って、)
「あと、」


 何事もなかったかのように立ち上がった彼の吐いた台詞は、


「パンツ、水玉より縞にしろよ。シンデレラ」
「なっ……!」


 やっぱり、大路君は最低です。
 一瞬でも王子様みたいだとか思った自分が恥ずかしい。

 けれど、


(……ムカつきます)


 心臓はいまだに、どきどきと高鳴っていて。

 鐘が鳴っても、私にかかった魔法はとけないようです。