「ああ、ねーよ。俺がやりたくてやってるだけ」
脱脂綿に消毒液を染み込ませ、傷口を優しく撫でる。
絆創膏の紙を剥がすその一連の動作を見送ったあと、
「何様ですか」
と言葉を投げた。
本当は……気づいていてくれたことや、今こうして手当てしてくれていることに感謝したいのに。
けれど大路君は、怒るわけでもなく、
「何様って、王子様」
愉快そうに、くつくつと喉を鳴らした。
脱脂綿に消毒液を染み込ませ、傷口を優しく撫でる。
絆創膏の紙を剥がすその一連の動作を見送ったあと、
「何様ですか」
と言葉を投げた。
本当は……気づいていてくれたことや、今こうして手当てしてくれていることに感謝したいのに。
けれど大路君は、怒るわけでもなく、
「何様って、王子様」
愉快そうに、くつくつと喉を鳴らした。



