―17段目の恋― あのときの君とまさかの恋に落ちるとき

海鮮焼きそばとシュウマイ、エビチリを皿に盛って、ソファの前のローテーブルに並べる。
美味しそうな匂いに胃がきゅーっと締め付けられる。
時間は10時半を過ぎていて、お腹は十分に空いていた。
龍道コーチはソファに座ると、途中で買ってきた缶ビールを出した。
向かい側にはソファがないので、透子は少し隙間をあけて龍道コーチの隣に腰を下ろしてビール用のグラスをおいた。

こんな時間に女性の部屋を普通は訪れないよね、と一応抗議したのだが、「昨晩も来たし、それに彼氏が彼女の部屋に深夜に訪れるのは普通だと思うけど。いや、普通なら泊まっていくんじゃないか」と言い出し、さらには「その海鮮焼きそばは俺の好物だ。陳さんは2人で食べてね、って作ってくれたんだよ。それを水之さんは一人食いするつもりか」といちゃもんをつけてくるので、透子の部屋で食べることになったのだ。
ビールを飲みたいがために一旦家に戻って車を置き、わざわざタクシーで透子の家に向かうという気の入れようだ。

グラスにそれぞれビールを注ぐ。

「じゃあ、お疲れ。初労働デートに乾杯!」屈託のない笑顔で龍道コーチはグラスを掲げ、透子のグラスに軽くぶつけた。

2人そろってグラス半分ほどを一気に飲み、「うまい」「おいしい」と声を上げる。