透子はテーブルの上の皿がほぼ空になっていることに気づき再びビュッフェに向かった。
ここの中華は美味しいはずだと泉コーチに教えられ、中華のメニューを一通り盛ってテーブルに戻る。
「このホテルは中華料理が有名なの?」
透子はまずエビチリの、きれいなオレンジ色のソースをまとった大ぶりのエビを口に運んだ。
プリッと弾力のあるエビの甘さと甘辛いソースが口の中で絡まる。
思わず目を見張った。
「ね、美味しいでしょう」
泉コーチもエビに手を伸ばす。
ホテルでビュッフェスタイルのパーティを開催するときにも、中国料理だけは龍道家御用達の店『天龍』で作らせているのだと泉コーチが説明する。
龍道家御用達というならばきっと高級店なのだろう。
透子は行ったことはもちろん、名前も聞いたことがなかった。
「有名なお店なのね」
「いや、有名でもなんでもない、龍道家の近所にある中国人のおじさんがやってる小さな、ついでに言えばぼろい店。でも飛び切り上手いでしょ。だから新さんのお爺さんが気に入っていて、家族でずっと贔屓にしているんだ」
「詳しいね」
田淵は小籠包に手を伸ばした。
「新さんとは高校も大学も一緒で、テニス部の先輩なんだ。ずっと舎弟みたいなもんだな」
「2人がいるテニス部だったら女子が群がったよね」と田淵が目を輝かせる。
「新さんはね。彼がキラキラしすぎていたおかげで、僕の存在は陰ってたけど」
「そんなことないでしょう。スクールでも泉コーチのファンは多いじゃない」
実際、壁に張り出される月間人気投票では今月も泉コーチは龍道コーチに続いて2位になっている。
「あれ、やめてほしいんだよね。ホストクラブじゃあるまいし」
ここの中華は美味しいはずだと泉コーチに教えられ、中華のメニューを一通り盛ってテーブルに戻る。
「このホテルは中華料理が有名なの?」
透子はまずエビチリの、きれいなオレンジ色のソースをまとった大ぶりのエビを口に運んだ。
プリッと弾力のあるエビの甘さと甘辛いソースが口の中で絡まる。
思わず目を見張った。
「ね、美味しいでしょう」
泉コーチもエビに手を伸ばす。
ホテルでビュッフェスタイルのパーティを開催するときにも、中国料理だけは龍道家御用達の店『天龍』で作らせているのだと泉コーチが説明する。
龍道家御用達というならばきっと高級店なのだろう。
透子は行ったことはもちろん、名前も聞いたことがなかった。
「有名なお店なのね」
「いや、有名でもなんでもない、龍道家の近所にある中国人のおじさんがやってる小さな、ついでに言えばぼろい店。でも飛び切り上手いでしょ。だから新さんのお爺さんが気に入っていて、家族でずっと贔屓にしているんだ」
「詳しいね」
田淵は小籠包に手を伸ばした。
「新さんとは高校も大学も一緒で、テニス部の先輩なんだ。ずっと舎弟みたいなもんだな」
「2人がいるテニス部だったら女子が群がったよね」と田淵が目を輝かせる。
「新さんはね。彼がキラキラしすぎていたおかげで、僕の存在は陰ってたけど」
「そんなことないでしょう。スクールでも泉コーチのファンは多いじゃない」
実際、壁に張り出される月間人気投票では今月も泉コーチは龍道コーチに続いて2位になっている。
「あれ、やめてほしいんだよね。ホストクラブじゃあるまいし」

