「そうだ、透子さん、明日ひま?」
「明日は仕事。持ち帰りなの」
「今日締めのやつは終わってたじゃん」
「自分のは終わったけど、今日の午後から有給とった子が、月曜までに提出の提案書が上がってないって困ってたから」
「また肩代わりしたの?」
「データをまとめる時間が間に合わない、飛行機間に乗り遅れるっていうんだもの」
それは大変だと透子まで慌て、やっておくから早く行きなよと送り出したのだ。
「乗り遅れればいいじゃん。仕事終わってないんだからさ」と、田淵は冷たい。
「彼と一緒にマウイ島に行くんだって。遅れるとホノルルからの乗り継ぎ便に間に合わないんだって」
「だからなんだよ。知るか、そんなの」
「なんで田淵君が怒るのよ」
私がやるんだからいいじゃないと、透子は口を尖らせた。
「だって透子さん、すぐ引き受けちゃうからさ。この間も他部署の会議の資料をまとめるの手伝って残業してたよね」
「だって彼女、予定があるっていうから」
「その子さ、透子さんに準備を押し付けて部署の飲み会に行ってたよ。そういえば他人のミスをこっそり押し付けられていたこともあったよね」
「あれ、田淵君が気づいてくれなかったら査定に響いていた。助かったわ」
「それとさ」
「もういいわよ。そんな風に言われると、情けなくなるじゃない」
「情けないというよりイラっとする」
だから、どうして田淵がイラっとするのだ。
華やいだ場所なのに気分が萎える。
と、そこにちょうど口直しのようないいタイミングで爽やかな笑みを浮かべた泉コーチが登場した。手にした白ワインのグラスまでもがきらり輝いて見える。
「明日は仕事。持ち帰りなの」
「今日締めのやつは終わってたじゃん」
「自分のは終わったけど、今日の午後から有給とった子が、月曜までに提出の提案書が上がってないって困ってたから」
「また肩代わりしたの?」
「データをまとめる時間が間に合わない、飛行機間に乗り遅れるっていうんだもの」
それは大変だと透子まで慌て、やっておくから早く行きなよと送り出したのだ。
「乗り遅れればいいじゃん。仕事終わってないんだからさ」と、田淵は冷たい。
「彼と一緒にマウイ島に行くんだって。遅れるとホノルルからの乗り継ぎ便に間に合わないんだって」
「だからなんだよ。知るか、そんなの」
「なんで田淵君が怒るのよ」
私がやるんだからいいじゃないと、透子は口を尖らせた。
「だって透子さん、すぐ引き受けちゃうからさ。この間も他部署の会議の資料をまとめるの手伝って残業してたよね」
「だって彼女、予定があるっていうから」
「その子さ、透子さんに準備を押し付けて部署の飲み会に行ってたよ。そういえば他人のミスをこっそり押し付けられていたこともあったよね」
「あれ、田淵君が気づいてくれなかったら査定に響いていた。助かったわ」
「それとさ」
「もういいわよ。そんな風に言われると、情けなくなるじゃない」
「情けないというよりイラっとする」
だから、どうして田淵がイラっとするのだ。
華やいだ場所なのに気分が萎える。
と、そこにちょうど口直しのようないいタイミングで爽やかな笑みを浮かべた泉コーチが登場した。手にした白ワインのグラスまでもがきらり輝いて見える。

