5人全員で少し雑談を交わした後、『サンドイッチ祭り』開始!
 私と成瀬君、そしてお母さんは台所へ。
 調理は次回にという事で、白鳥さんは『お父さん』対応係。

 前回、この3人で調理したから、今回の作業は更に万全、完璧、パーフェクト。
 当然、成瀬君は揚げたての秘密兵器『ハムカツ』を持参して来た。

 約30分後……
 11時15分すぎ……

 今日は5人。
 この前の倍、大皿ふたつにいっぱいのサンドイッチが並べられる。

 王道のタマゴサンド。
 ちょっと趣きを変えた厚焼き玉子のサンドも加えた。
 厚焼き玉子はお父さんの大好物だもの。

 ベーコン、レタス、トマトをはさんだBLTサンド、マカロニとキャベツを使ったツナサンド、ソースが香ばしい焼きそばサンドは、お母さんが好評につき引き続き。

 ウチのお父さんがシンプルなジャムのサンドイッチも大好きなので、ブルーベリー、アプリコットのサンドイッチも作った。

 そしてそして、成瀬君お薦めのハムカツサンドがパワーアップして3種類に!
 ――チーズありとなしに、今回は卵が加わったのだ。

 最後に食べたいデザート感覚のサンドイッチは、いちごとはちみつを使ったフルーツホイップサンドに加え、バナナのフルーツサンドも。

 白鳥さんが、お父さんへ言う。
 いつもと口調が全然違う。
 いや、これが『素』?
 ラノベの悪役令嬢……いや、貴族令嬢パワー全開である。

「うわぁ♡ すっごくおいしそうですわ。お・と・う・さ・まっ♡」

 白鳥さんのお嬢様のパワーに圧倒されっ放しのお父さん。

「あ、ああ! し、白鳥さん! す、すごく! お、お、お、おいしそうだね……」

「私、お聞きしましたわ。お母さまとゆいさんは勿論、成瀬君の料理の腕も中々のものなのですって♡」

「そ、そうか!」

「さあ! お父さま、食べましょうよ♡」

「は、はいいっ!」

「いただきますっ!」の挨拶とともに、お母さん、白鳥さん、成瀬君、私と、好きなサンドイッチに手を伸ばす。

 そして、ここで成瀬君の決め言葉が発動。

「さあ、お父さん、お母さん、無理強いするようで申しわけありませんが、ぜひハムカツサンドを一番先に!」

 当然私と白鳥さんも続く。
 
「私もハムカツサンドいただきま~すっ!」
「私もハムカツサンドをいただきますわっ!」

 そしてお母さんも、この前通りのセリフを。

「じゃあ、私、チーズ入りハムカツサンドをいただくわっ!」

「あ、ああ……じゃあ俺も」

 自分以外全員から勧められ、押されっ放しのお父さんはハムカツサンドを、
「ばくっ」と頬張った。

 そして……

「おお、う、うまいなっ! た、たまらんっ!!」

 感嘆し、満面の笑みを浮かべ、ハムカツサンドばかりをばくばく食べるお父さんを見て……私たち4人は、ひそかにガッツポーズをしていたのである。