大好きな成瀬君と、楽葉原(らくはばら)での初デート。

 ラノベ専門書店で、各自が数冊ラノベを買い込み……
 私と成瀬君は今、大好きなアニメとタイアップしたコラボカフェを訪れている。

 そもそもコラボカフェとは、アニメやラノベ、ゲームなどの作品自体の世界観をイメージし、登場するキャラクターにちなんだ食べ物等を提供するカフェの事だ。

 今回訪れたのは何と!
 私と成瀬君が出会ったアニメをコラボしたカフェ。

 マイナーなアニメなので、コラボカフェがオープンすると聞き、びっくり。
 情報をキャッチした私が即、ふたり分を電話予約したという次第だ。
 予約制だから、時間の制限はあるがゆったり出来るのも嬉しい。

 周りは皆、同好の士ばかり。
 シンパシーの波動を感じる中で、ランチが運ばれた。
 アニメの世界をイメージした料理と飲み物だ。

 ランチを食べながら……
 学校の屋上のように私と成瀬君は会話する。

「成瀬君、相談とお願いなんだけど」

「おう、言ってくれ」

「私、ある投稿サイトにラノベ書いてるの。ブックマークとか評価はいらない。読んでもらってもいいかな」

「おお、そうか。お安い御用さ、OKだ! 俺、ゆいの作品を読んで感想出してやるよ」

 あまりにもあっさりOK?

「へ? 驚かないの?」

「いや、ゆいだったら、ラノベを書くのはありえると思った。国語と世界史とラノベが大好きだから、可能性は全然ありだもの」

 うっわ!
 凄い分析力と冷静さ。
 私の方が驚いてしまった。

 でも私の驚きはまだまだ続いたのだ。

「以上か? ゆい」

「う、うん。お願い」

「任せろ! じゃあ、今度は俺の番な」

 成瀬君はいたずらっぽく笑うと、お願いを言って来た。

「えええええっ!? な、何それ!?」

 彼の『お願い』を聞いた私は大いに驚いてしまったのである。